2016年5月18日

東京ラカン塾精神分析セミネール「文字の問い」2015-16年度第20回,2016年5月20日

Retour à Lacan, ラカンへの回帰

– Lacan 読解 workshop


先日フランスで幾人かのラカン派精神分析家と対話したとき,彼らは皆,こう嘆いていました:「今や,ラカン派精神分析家を自認ないし自称する者たちでさえ,Lacan のテクストをみづからじっくり読もうとしない.学会発表を聞き,雑誌論文や解説本を読むだけだ」.

日本でも同様です.Lacan 自身のテクストであれ,解説本であれ,Lacan が何を言わんとしているのかを把握していない者が Lacan の言葉を日本語にするので,誤訳や誤解に満ちています.また,Lacan のフランス語表現に含まれる本当の意義を訳文から読み取ることは,そもそも不可能です.

フランス語ができないから,英訳で Lacan を読むだけ,ないし,英語圏の Lacan 関連の本を読むだけ,という人もいるでしょう.しかし,それで済むとも思わないでください.英語圏の訳者や著者も,Lacan をわかっているわけではありません.また,邦訳と同様,英訳からも Lacan の原文の意義を読み取ることは不可能です.

確かに,難解な Lacan のテクストを読むためには,多大な労力が必要です.しかし,当然ながら,その努力を惜しんでいては,Lacan の教えを本当に理解することはできません.

そこで,Lacan のテクストを読み解くの訓練の機会を,いわゆる workshop の形式で提供したいと思います.

参加者数は 10 - 20 人程度に限ります.そのうち 3 - 4 人が,皆の前で,実際に Lacan のテクストの一節の読解を試みます.同時にわたしが適宜,助言や解説を提供しつつ,読解作業をお手伝いします.

「フランス語原文を読む」と限定すると,参加可能な人の数が非常に限られてしまうでしょう.今回は,ですから,邦訳や英訳で読むということでもかまいません.勿論,フランス語原文を読むのが最も望ましいです.

Lacan のテクストのどの一節を読むかは,各人の選択にまかせます.適当な一節を選び出すのが困難であれば,わたしが助言します.

ひとりの読解作業に 60 - 90分程度かけることを想定しています.

この workshop を開催するのは,本年10月後半に東京ラカン塾精神分析セミネール 2016-2017年度を開始する少し前,つまり,9月か10月前半の或る一日とします.多分,日曜日とするのが皆さん,都合をつけやすいでしょう.

参加を希望する方は,小笠原晋也へ御連絡ください : ogswrs@gmail.com

その際,ほかの参加者の参考となるよう自分の読解作業過程を提供してもよいかどうかを,書き添えてください.

参加費をいくらにするかは未定です.借りるべき部屋の大きさは,参加希望者の総数しだいですから.ともあれ,せいぜい 1000円か 2000円程度で済むでしょう.

参加希望者の御連絡をお待ちしています.


東京ラカン塾精神分析セミネール 2015-2016 年度 「文字の問い」 第20回


Lacan の Le séminaire sur « La Lettre volée » の読解を継続します.

日時 : 2016年05月20日,19:30 - 21:00,
場所:文京区民センター 2 階 C 会議室.

参加費無料.事前の申請や登録は必要ありません.

テクストは各自持参してください.テクスト入手困難な方は,小笠原晋也へ御連絡ください : ogswrs@gmail.com

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